コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE21第21話 学園祭宣言!『状況は動き出す。個人の思惑とは関係なく、時は流れ行く。人々の足掻きとは別に。ならば、ルルーシュは幸せなのだろう。少なくとも自らの力で世界を決めることができるのだから。如何なる相手にでも命令を下せる絶対遵守の力、ギアスを頼りに』 「確かに中華連邦の介入や黒の騎士団によるテロ行為によって、世間は色々と騒がしい。しかし、それとこれとは別問題!!出席日数が足りないという、この事実!!いくら成績が良かろうと、いくらユーフェミア様の騎士だろうと、出席日数が足りなければ留年しかないの!!」 ルルーシュとスザクは今晩中に終わるかどうかのような補習を受けていた。 ルルーシュは黒の騎士団の肩を持つ者、イレブンでも出世できるとブリタニアの肩を持つ者の意見を思い出していた。 ゲットーでも意見が恭順派と反抗派に分かれている。 「しかし皆、驚くだろうな。ゼロが国を作るつもりだとしたら」 「俺は賛成だ、ゼロに」 「え!?」 「だってそうだろ?あいつに着いて行けば人生一発大逆転だ。官僚になるって俺の夢も」 「 官僚!?本気で?」 「あったんだよ、俺にだって夢が。黒の騎士団やってなきゃ、今頃リフレインでも決めてるって」 《リフレインなら過去もゼロの正体も…しかし、知ってどうする?俺は…》 「扇さん、例の件ですけど指示を仰ごうにもゼロに連絡が取れなくて…」 「じゃ、予定通り、俺が」 「罠だって止めとけよ」 「でも、情報ルートは必要よ。あそこには入団希望者もいるっていうし、それにディートハルトが作った逃走ルートが使えるのは明日しか…」 「皆さ~ん、お待たせしました。これより、トウキョウ租界で一番オープンなアッシュフォード学園の学園祭を始めま~す。スタートの合図はこの一声から…」 ナナリーがにゃ~と言い、学園祭が始まる。 C.C.は学園祭で騒がしいので目が覚めてしまう。 「やはりな、澤崎達にも利用価値はあった。これで条件はかなりクリアされたな」 『はい、各地域の緊急時における対応は全てデータに起こしてあります』 マスコミが学園祭にやってきたことに気づくルルーシュ。 ディートハルトの報告を受けていると、ルルーシュの元に大ピンチだとミレイが走ってやってくる。 「何サボってるのよ。実行委員長はルルーシュでしょ」 「進行状況に問題はないです。それに、あれは会長の担当ですよ。去年まで2mだったのに、いきなり直径12mのピザを作ろうなんて言いだすから」 扇とヴィレッタはデートしていた。 アッシュフォード学園の前で足を止める扇。 「どうかしました?」 「学校の先生やってたから、懐かしいなって」 「どうしてやめちゃったんですか?」 「…子供の頃からの親友がいてね。けど、死んじゃって…。そいつの夢を俺が代わりにって…。ははっ、ちょっと俺には荷が重い夢だけど」 「入りましょう」 スザクは厨房で仕事をしていた。 「…よかった。もう学校に来ないかと思ったよ」 「じゃあワザと?…どうして誰にも言わないの、私の正体を」 「今の君はカレン・シュタットフェルトだろ、紅月カレンじゃなくて」 「ふーん、情けをかけて取り込もうってつもり?」 「戦場で会ったら手加減はしないよ。でも、説得は続けたい。これがルール違反なのはわかっているけど、学校では戦いよりも説得を選びたい」 「…あんた、何か変わった」 「スザク、トラックが来た。チーズを。学校に?」 「あ、うん。体調も悪くないし…」 「カレン、さっきの件は学校では関係ないよ」 「解ったわ」 「よければカレンはクラスの方に回ってくれないか?手が足りないらしくって」 「あぁ、それくらいなら…」 クラスの出し物がお化け屋敷だったようで、ぬりかべ役をやっているカレン。 「って…ビビるなよ、こんなんで。…それにしてもルルーシュの奴、ホラーハウスならホラーハウスと説明ぐらいしろってえの。ふん!!私に命令できるのはゼロだけなんだからね。…あぁ、またカップルかーっ、もう、こんなとこにメカ使うなら全部そうすればいいのに。これ、軽いけど熱いんだよ、グラスゴーの初期型並に。だから早く、早く…早くしろぉぉぉ!!」 「うわあああああっ!!」 かなり驚く扇。 「…あれ!?扇さん?」 「え!?…無事だったのか?」 「おかげさまで」 「んふふ、楽しいですね、学園祭って」 もぐら叩きのように出てくる人の頭を叩くセシル。 「…狙い撃ちされてるの、ロイドさんに似てないか?」 「やっぱり彼女一人だけに世話させるのは酷だったんだよ」 「おい、お前。世界一のピザというのはどこで食べられるんだ?」 ルルーシュが振り返ります。 「何だ、いたのか」 「よくぞ、一晩でエリア18から。コーネリア軍は優秀だな」 「とんでもない、兄上が自らの正規軍を代わりに回してくださったからこそです」 「それぐらい当然だよ」 「本国待機のグラストンナイツも合流し、これで我が軍は本来のあるべき姿となりました。グロースターのザッフェルバッテもあります」 「解っている。中華連邦との交渉にはそのカードを使わせてもらおう」 「お願いします」 「光栄だな」 「え!?」 「戦場では並ぶ者のないコーネリア姫にお願いされるなんて」 「…からかわないで下さい」 「本当さ。戦場での君は、舞踏会のどんな花や蝶より美しく輝いているよ。そう、閃光のようにね」 「!!…やめて下さい、私ごときが。…ユフィはどこへ行ったのかしら?兄上のご出立だと言うのに」 「ユフィなら昨夜話をしたよ」 「昨夜?」 「うん。あぁ、それとバトレーが管理している件だけど」 「あぁ、構いませんが、本当にアレに利用価値が?」 ジェレミアがカプセルのようなものの中に入っているようです。 「だから、世界一のピザを」 「持って行ってやるから部屋にいろ」 「お前は嘘つきだからな」 「こんなことで契約は使わない。軍人やマスコミがいるんだぞ。見つかったらどうする!!」 「焼き立てがいい。変装道具を持って来い」 「今、俺は学園祭とクーデターの仕切りで…。…!?」 「どうして学校の中まで」 「あっ、私が…」 「誰ですか、あなた。イレヴンじゃありませんよね?名前は?」 「…この人は…俺の」 「……」 「カレンか?ここは関係者以外は立ち入り禁止だから早く外に…」 《扇!?》 「すみません。どうしてもスザクに話したいことがあって…」 『ユフィ、このアイデア素晴らしいと思うよ』 『え、じゃあ!?』 『君は君の信じた道を進むといい。コーネリアには私から話しておくよ』 ユーフェミアも学園祭にやって来ました。 《スザク、お兄様が認めてくださったんです。これで…》 ユーフェミアとナナリーがぶつかりかける。 「あ、ナナリー!?」 「まさか、その声…!?」 《…扇さんを見られた以上》 《マズイ、ここでC.C.を見られたら…》 ここにシャーリーとスザクもやって来る。 「バーナー用のボンベでしょ、予備は確か奥のほうに…」 「あれ?」 「カレン?」 「あ、あの、こんにちは…」 「そっちに予備のボンベない?リヴァルが探してて」 「あぁ…反対側じゃないかしら」 「…まったく面倒な」 「ギアスを使えばいいだろ?」 「扇やよくわからない奴に使うのは危険だ。それに他のメンバーは使用済みばかり」 「自業自得だな。安易に使うから」 「っ!!お前は今の状況を!!」 「ルルーシュ?」 「!?」 「 いるの?だったら話したいことがあって」 「ひとまずお前だけでも逃げろ。シャーリー、後でいいかな?」 「何よ、今更。こんな時じゃないと会えないくせに」 「一騒ぎを起こします、その隙に」 タイルを倒れさせますが、シャーリーが固まってしまったために庇うカレン。 ガス漏れの検知用のガスが漏れる。 タイルを支えるスザクの足をアーサーが噛んでいた。 「すみません、変なことに巻き込んで」 「いえ、なんだか楽しかったです。こういうドキドキって久しぶり」 「…出ませんか?エリア11を。そうすれば、あなたを撃った人も追って来ないかと」 「…扇さん、以前の私、今よりも幸せだったのでしょうか?…だから」 「え!?」 「さっきの言葉の続き、聞かせてもらえませんか」 「あっ」 「この人は俺の…何ですか?」 「そ、それは…」 「私…イレヴンになってもいいです」 「黙っていてくれますか、お兄様と私のこと」 「でも、このままじゃ」 「私はお兄様と一緒なら、それだけで」 「……」 「あの頃、2人で喧嘩したの、覚えてます?どっちがお兄様のお嫁さんになるかって」 「覚えてる。どっちにするか今夜決めてってルルーシュを困らせたの」 「今は?」 「え?」 「…今でもお兄様を?」 「わかってるってシャーリー、ちゃんと時間作るから。だからB班をステージのヘルプに…うん」 《何て気楽なんだ。ミスしたところで誰が死ぬわけでもないってのは》 「流石ねぇ~、時間通り行けそうじゃない?」 「最近、人を使うことを覚えましたから。しかし、皆、能天気ですね。ついこの間中華連邦が責めてきたばかりだというのに」 「だからじゃない。祭りは必要よ、どんな人にも、どんな時でも。あんた、まだまだねぇ」 「勉強になります」 「お兄様」 「ナナリー、ピザは…!?」 ナナリーの車椅子を押しているユーフェミア。 ミレイに後を任せて、出て行くルルーシュ。 「素材の準備も整ったようです。それでは紹介しましょう!!フライングはアッシュフォード家のガニメデーっ!!」 歓声が上がります。 「もう十分クラシックですが、しかーし、操縦するのは我が生徒会の風紀委員にしてユーフェミア殿下の騎士、枢木スザーク!!」 「あれ、もしかして…」 「イレブンも大勢来てますね。オープンな学祭ですし、スザクさんがいる学校ですから」 「それだけで?」 「えぇ。スザクさん、イレヴンにとっては希望の星なんですよ」 「…そう」 「第3世代ナイトメア、ガニメデ。閃光のマリアンヌ様も使っていた機体だね」 「基本フレームのみですよ。イベント用のお人形です」 「マリアンヌ様の卒去によって次世代競争から外された遺憾の機体」 「やっぱり結婚の目的はアレでしたか」 「わかりました?この人、異性という感覚がないんですよ」 「残念でした~。概念は知ってるんだぁ」 ガニメデがピザ生地を回しています。 「去年は俺の役だったんだけど、本職には叶わないな」 「今日は驚く事ばかり。ルルーシュとナナリーがこんな近くにいて、しかもスザクの友達だったなんて」 「何やってるの、あの男。女の子口説いてる場合じゃないでしょ」 「私は皆が幸せにならないと嫌なの」 「でも、会うのは今日が最後だ」 「ううん。いい方法を見つけたから」 シャーリーが怒鳴りに行こうとすると、ユーフェミアの帽子が風で飛ばされてしまう。 「ユーフェミア様!?」 ユーフェミアが学際に来ていることがバレ、騒ぎにな4り始める。 「中継車の機材スペースが無駄になったな。ゼロ番隊隊長も逃げる必要はなくなった。しかし、君にはこのまま隠密として租界内にいてもらいたい。ゼロにはいずれ紹介しよう」 ディートハルトが咲世子にそう言うのだった。 ガニメデの手に乗せられるユーフェミア。 「ご無事ですか?ユーフェミア様」 「ありがとう、スザク」 「大丈夫か?ナナリー」 「ユフィ姉様は?」 「無事だ。スザクが助けた」 「そうですか。ねぇ、お兄様」 「ん?」 「ユフィ姉様、スザクさんと上手くいったんですって」 「!?」 「お似合いですよね、お2人なら」 「ナナリー、お前…くっ」 「この映像、エリア全域に繋いでいただけますか?大切な発表があります。神聖ブリタニア帝国エリア11副総督、ユーフェミアです。今日私から皆さんにお伝えしたいことがあります」 「なーに?小娘が大げさに」 「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアは富士山周辺に行政特区日本を設立することを宣言いたします!!」 「何!?ブリタニアが!?」 「日本を…認める!?」 「しまった!!その手があったか。地域制限付きとはいえ…」 「この行政特区日本ではイレヴンは日本人という名前を取り戻すことになります。イレヴンへの規制、ならびにブリタニア人の特権は特区日本には存在しません。ブリタニア人にもイレヴンにも平等の世界なのです」 《やめろ、ユフィ。そのケースは考えた。しかし、それはただの夢物語だ》 「聞こえていますか、ゼロ!!」 「!?」 「あなたの過去もその仮面の下も私は問いません。ですから、あなたも特区日本に参加して下さい!!」 騒然となる観客達。 「何だ、これは!?」 「ゼロ、私と一緒にブリタニアの中に新しい未来を創りましょう!!」 ユーフェミア様、バンザーイ!!となる日本人達。 《やられた。…これではどちらを選んでも黒の騎士団は潰れてしまう。存在意義がなくなる。まさか、こんな手で易とも簡単にっ…。そうやって君は何もかも手に入れる気か?俺達の居場所すらまとめて…。ならば君は何も見えていない、聞こえていない。俺は顔を隠したテロリストで、そして君は…》 《ルルーシュ、また昔みたいに》 《違うんだ、もう昔とは。ユーフェミア!!》 次回、「血染めのユフィ」 ジャンル別一覧
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